排気ガス再循環弁B制御位置 学習限界値超過
この診断コードの意味
これは動力伝達系統用汎用診断トラブルコード(DTC)で、排気ガス再循環(EGR)システムを搭載したOBD-II対応車両に一般的に適用されます。対象にはダッジ/ラム(カミンズ)、シボレー/GMC(デュラマックス)、ホンダ、ジープ、ヒュンダイなどの車種が含まれますが、これらに限定されません。
汎用コードではありますが、正確な修理手順は年式、ブランド、モデル、動力伝達系統の構成によって異なる場合があります。
OBD-II対応車両にP049Eコードが記録された場合、動力伝達系統制御モジュール(PCM)が排気ガス再循環(EGR)ダウンサイジングバルブの特定の制御位置Bで不具合を検出したことを意味します。BはEGRダウンサイジングバルブの特定位置を示します。
EGRダウンサイジングバルブシステムは、測定された増分で廃排ガスの一部を吸入マニホールドに再循環させ、再度燃焼させるように設計されています。このプロセスは、内燃機関およびディーゼルエンジンの運転に伴う副産物として大気中に放出される窒素酸化物(NOx)粒子の削減に不可欠です。NOxは排気ガスによるオゾン層破壊の一因となる要因であると疑われています。北米車両では連邦政府の指令によりNOx排出が規制されています。
学習限界は、特定のEGRダウンサイジングバルブ位置(B)が適応可能な最小および最大パラメータを反映するプログラムされた許容範囲です。PCMがEGRバルブの実際の位置がこれらのパラメータを超えていることを検出すると、P049Eコードが保存され、不具合表示灯(MIL)が点灯する場合があります。一部の車両アプリケーションでは、MIL点灯に複数回のイグニッションサイクル(不具合発生時)が必要です。
このDTCの重大度
P049EコードはEGRシステムに関連するため、深刻な状態とは見なされません。
主な症状
P049E故障コードの症状には以下が含まれます:
このコードに関連する症状はほぼ無い可能性
燃費の軽微な悪化
走行問題の発生可能性
主な原因
このP049Eコードの原因
には以下が含まれます:
EGRバルブの故障
EGRセンサーの故障
PCMの不具合またはプログラミングエラー
P049Eのトラブルシューティング手順
診断は通常、車両の診断コネクタの位置確認と、保存された全コード及び関連データの取得から開始します。これらの情報は診断過程で必要となる可能性があるため全て記録します。次に、コードが即時再設定されるかどうかを確認するため車両テストを実施します。
車両のサービス技術情報(TSB)から、該当車両・保存コード・表示症状に一致する項目を検索することで、診断課題(潜在的に困難な場合も)に対する解決策が見つかる可能性があります。TSBの情報は数千もの整備専門家から収集されたもので、非常に有用な詳細が含まれている場合が多くあります。
コード消去後もP049Eが保存される場合、診断スキャナ・デジタル電圧/抵抗計(DVOM)・信頼性の高い車両情報源が必要となります。
次に、EGRバルブ及び関連する全配線・コネクタの目視検査を実施します。高温排気部品近くを通る配線ハーネスや、排気シールドに常見される鋭利な縁部に重点的に注目してください。
注記:DVOMを用いた抵抗/導通テストの前には、関連する全ての制御装置を回路から切断してください。
車両情報源に記載された配線図とコネクタピン配置表を参照し、DVOMを使用して各EGRバルブコネクタ回路の適切な信号をテストします。多くのシステムは自動作動前に規定回転数が必要となるため、スキャナを使用したEGRシステムの手動作動が必要となる場合があります。メーカー仕様を満たさない回路は、源点(通常はPCMコネクタ)まで追跡し再テストが必要です。PCMからの出力信号が検出されない場合は、PCMのプログラミングエラーまたはPCM故障が疑われます。それ以外の場合は、必要に応じて断線/短絡回路の修理または交換を実施してください。
全回路がメーカー仕様を満たす場合、DVOMを使用して実際のEGRバルブ及び内蔵センサーをテストします。車両情報源にはこの部品テストの手順も記載されています。ダウンサイジングEGRバルブ及び全センサー(内蔵)がメーカー仕様に合致しない場合は、部品の故障が疑われます。
このコードはダウンサイジングEGRバルブ搭載車両でのみ表示されるべきものです。