コードP0631:説明、重大度、解決策
コードP0631は、トランスミッション制御モジュール(TCM)が車両識別番号(VIN)を認識しないことを示すOBD-II汎用コードです。このコードは主にオートマチックトランスミッション搭載車両に関連し、TCMと車両の他のコントローラー間の通信またはプログラミングの問題を示します。
コードP0631の意味
- VINは、PCM/ECM(エンジン制御モジュール)にプログラムされた17文字の一意の識別子です。
- TCMもこのVINを認識するようにプログラムされ、データの一貫性(例:走行距離、パワートレイン構成)を確保する必要があります。
- TCMがVINを読み取ったり検証したりできない場合、コードP0631が保存され、エンジン警告灯(MIL)が点灯します。
コントローラーにおけるVINの目的:
- 盗難防止:車両間でのコントローラーの交換を防ぎます。
- 走行距離の信頼性:走行距離はPCM/ECMに記録され、他のモジュールと一致する必要があります。
- 互換性:コントローラー(PCM、TCMなど)が車両専用であることを保証します。
コードP0631の重大度
- 深刻:VINが認識されない場合、TCMはオートマチックトランスミッションの一部の機能を無効にすることがあり、以下を引き起こします:
- 不規則またはロックされたギアシフト。
- エンジンの失速(特に停止時)。
- 盗難防止システムの作動または他のエラーコードの発生。
一般的な症状
- トランスミッションが正しくギアを変えられない。
- エンジン警告灯の点灯。
- 不安定なアイドリングまたは失速。
- セキュリティやトランスミッションシステムに関連するエラーメッセージ。
考えられる原因
- TCMがプログラムされていない、または誤ってプログラムされている(例:VINの更新なしでの交換)。
- TCMの故障(内部障害)。
- PCMとTCM間の通信問題(配線の損傷、コネクターの酸化)。
- 互換性のないVIN:再プログラミングなしで他の車両からのTCM。
診断手順と解決策
ステップ1:VINの確認
- 診断スキャナーを使用して、TCMに記録されたVINを読み取ります。
- 実際のVIN(フロントガラスまたはメーカープレートに刻印)と比較します。
- 不一致 → TCMが再プログラミングなしで交換された。
- VINがない → TCMが故障しているか、プログラムされていない。
ステップ2:テクニカルサービスブレティン(TSB)の確認
- メーカーのテクニカルサービスブレティンを参照し、既知のプログラミングエラーを確認します。
ステップ3:TCMの再プログラミング
- TCMが交換された場合、以下で再プログラミングする必要があります:
- 車両のVIN。
- 現在の走行距離。
- エンジンとトランスミッションの特定の構成。
- この操作にはプロ用診断ツール(例:Snap-On、OEM専用)が必要です。
ステップ4:TCMの交換
- TCMの内部故障が確認された場合、車両に合わせて事前にプログラムされた新品または中古モジュールを設置します。
重要な注意点
- 制限されたアクセス:コントローラーの再プログラミングは、適切なツールを備えた専門家に限定されます。
- 互換性:中古またはサブマーケットのTCMは、対象車両用に再設定する必要があります。
- コスト:TCMの交換と再プログラミングは高額になる可能性があります(モデルにより500ユーロから1500ユーロを想定)。
アクションの概要
- スキャナーでVINを読み取り、元のVINと比較します。
- 必要に応じてTCMを再プログラミングします。
- 故障が確認された場合TCMを交換します。
重大な機能不全を避けるため、認定整備工場または自動車電子専門家に相談してください。