コードP0671:説明、症状、解決策
コードP0671の意味
P0671コードは、ディーゼルエンジンにおける1番シリンダーのグロープラグ回路の故障に関連するOBD-II汎用コードです。このコードは、エンジン制御モジュール(PCM)が1番シリンダーのグロープラグの電気回路または異常な抵抗値を検出したことを示します。
グロープラグの役割:
- 🔥 燃焼室の加熱:燃焼温度を上げることで、冷間始動を容易にします。
- ⚡ 燃料着火の補助:圧縮着火に依存するディーゼルエンジンで燃料の点火を助けます。
コードP0671の重大度
| 重大度レベル | 潜在的なリスク |
|---|---|
| 中程度 |
- ❄️ 寒冷時の始動困難。
- 📉 出力低下または失火。
- ⚠️ 複数のプラグ故障時のエンジン損傷。
推奨対応:
単一のプラグ故障では始動不能にならない場合でも、問題悪化を防ぐため早期診断が必要です。
一般的な症状
- 🚨 エンジン警告灯の点灯(チェックエンジン)。
- ❄️ 寒冷時の始動困難または不能。
- 📉 エンジン暖機までの出力低下。
- 🔧 加速時の失火またはヘジテーション。
- ⚡ グローインジケーターの不作動(消灯しない)。
考えられる原因
- グロープラグの故障:規定範囲外の抵抗値(0.5~2.0Ω)。
- 電気系の問題:
- 損傷した配線、絶縁体のひび割れ、酸化したコネクター。
- 配線ハーネスの短絡または開放。
- 制御モジュールの故障:グロープラグリレーまたはモジュールの不具合。
- 腐食:湿気または過酷な環境による。
診断と修理の手順
必要な工具:
- 📟 OBD2スキャンツール:コード消去用。
- 🔌 デジタルマルチメーター(DVOM):抵抗値と導通測定用。
- 🔧 適合ソケット:プラグ取り外し用(モデルにより異なる)。
ステップ1:関連コードの確認
- コードP0670(グロープラグ制御回路不良)が同時に記録されている場合は優先診断。
ステップ2:外観検査
- 1番シリンダーのグロープラグを特定。
- コネクターと配線を確認:
- 腐食、焼け、断線の有無を検査。
- 配線の摩擦損傷や絶縁劣化がないことを確認。
ステップ3:プラグ抵抗値の測定
- プラグコネクターを外す。
- マルチメーターを抵抗測定モード(Ω)に設定。
- プラグ端子とアース間の抵抗値を測定:
- 正常値:0.5~2.0Ω(メーカー仕様要確認)。
- 規定外の場合:プラグ交換。
ステップ4:電気回路のテスト
- リレーバスバーとプラグ間の導通を確認:
- 片方のプローブをバスバー(リレー側)、他方をプラグ配線に接続。
- 抵抗値が2Ω以下であること。超過時は配線交換。
- バスバーのヒューズリンクを点検。
ステップ5:制御モジュールのテスト
- 高度な診断ツールでグロープラグリレーを作動。
- 回路の供給電圧(通常12V)を確認。
- モジュールが応答しない場合は内部故障を疑う。
ステップ6:リセットとテスト
- OBD2ツールでコードを消去。
- 寒冷条件下での実走行テストで修理を確認。
知っておくべきポイント
- ⚠️ 過負荷禁止:過作動はプラグ溶損の原因。
- 🔄 一括交換推奨:高走行車は全プラグ交換で不均衡防止。
- 🌡️ 寒冷影響:本コードは冬季に多発。-10℃以下では故障プラグ1本でも始動不能。
結論
コードP0671はグロープラグの磨耗または電気回路の問題が主原因です。単一プラグ故障でも始動可能ですが、性能維持のため早期診断が不可欠。電気試験に不安がある場合は認定ディーゼル整備士に相談してください。
🔧 推奨部品:純正グロープラグ、必要に応じ交換用ハーネス。