P0042 加熱式酸素センサーB1S3制御回路

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コードP0042:定義と説明

故障コードP0042はパワートレイン関連の汎用コードで、OBD-II規格を搭載したほとんどの車両(フォルクスワーゲン、アウディ、マツダ、フォード、シボレーなど)に適用されます。これはバンク1センサー3(B1S3)に位置する加熱式酸素センサー(HO2S)のヒーター制御回路の不具合を示しています。汎用コードではありますが、具体的な診断手順は車両のメーカーやモデルによって異なる場合があります。

加熱式酸素センサー(HO2S)の役割

燃料噴射エンジンでは、触媒の前後に配置された酸素センサーを使用して排ガス中の酸素濃度を測定します。これらのデータにより、エンジン制御モジュール(ECM/PCM)は常に空燃比を調整し、最適な理論空燃比14.7:1を維持します。

センサー内蔵の加熱回路は、急速な温度上昇を可能にし、コールドスタート時から信頼性の高いデータを提供します。HO2Sは通常3本または4本のワイヤーを持ちます:2本はECMへ送信される測定信号用、残りの1本または2本はヒーター回路の電源およびアース用です。

コードP0042は特に、バンク1(第1気筒を含むエンジン側)の下流側3番目センサーに関連します。そのヒーター回路はPCM/ECMによって直接電源供給またはアースされる場合があります。

⚠️ 注意:排気システムは必ず冷却状態で作業してください。運転直後は極めて高温になり、深刻な火傷を引き起こす可能性があります。

コードP0042の症状

  • ダッシュボードの故障警告灯(MIL)点灯
  • 故障がセンサーの予熱のみに影響するため、他の顕著な症状が現れない可能性(正常運転)
  • このセンサーは触媒後に配置され、主にその効率監視に使用されます。空燃比に直接影響を与えることはありません

故障の考えられる原因

コードP0042の原因として以下の要素が考えられます:

  • 酸素センサー内部の回路断線
  • センサーB1S3への電源またはアース線の切断・腐食
  • 排気システムのアース不良(腐食または接地ストラップの破損)
  • PCM/ECMとセンサーコネクター間の配線不良
  • 稀ではありますがPCM/ECM自体の故障

P0042解決のための診断と対策

1. 外観検査

まずセンサーB1S3の配線とコネクターを詳細に検査します。損傷、腐食、線の緩み、焼け焦げなどの兆候がないか確認してください。

2. ヒーター抵抗値テスト

センサーコネクターを外し、デジタルマルチメーター(DVOM)をΩモードにして、ヒーター回路ピン間の抵抗値を測定します(ピン特定には整備マニュアルまたは配線図を参照)。無限大抵抗(OL)または規定値外は内部ヒーター回路の断線を示します。この場合、酸素センサーの交換が必要です。

3. アース確認

DVOMを使用し、コネクター(ハーネス側)のアースピンとシャーシの確実なアース地点間の導通を確認します。導通不良は配線またはアース接続の問題を示します。

4. 電源確認

センサーを再接続し、DVOMをDC電圧モードに設定して、コネクターでのヒーター回路電源線をテストします(バックプローブ法)。イグニッションをON(またはコールドスタート時にはより確実なテストのためにエンジン始動)にします。バッテリー電圧(約12V)が測定されるはずです。電源がない場合、問題はPCM/ECM制御の電源回路にあります。

5. 結論

センサー、その電源、アースが正常であれば、稀ではありますがPCM/ECMの故障の可能性があります。高度なスキャンツールを使用したライブデータフローの確認をお勧めします。

🔧 お困りですか?電気系統の診断は複雑な場合があります。これらの作業に慣れていない場合は、正確な診断のために専門の整備工または認定技術者への相談をお勧めします。

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