2026年、自動車ユーザーに迫る制度改正のポイント
2026年1月1日、日本の自動車関連制度に重要な変更が実施されます。環境性能に応じた税制優遇措置(エコカー減税)の見直しと、自動車検査(車検)制度の一部厳格化が主な内容です。これらの改正は、自動車の購入時および所有時のコストに直接影響を与えるため、ドライバーは早めの情報収集が求められます。
エコカー減税(ボーナス)の適用条件が厳格化
2026年度より、環境性能に優れた車両に対する減税措置(通称:エコカー減税)の適用基準が引き上げられます。これまで対象となっていた一部のハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)が新基準を満たさず、減税対象外となる見込みです。主な対象は、より厳しい環境基準をクリアした電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)、また一部の高効率なハイブリッド車に絞り込まれる方向です。これに伴い、新車購入時の実質的な負担額が増加する可能性があります。
環境性能の低い車両への課税(マルス)が強化
一方、排出ガス性能や燃費の基準を満たさない車両に対して課される自動車税の重課(通称:環境性能割の加算)も見直されます。対象となる燃費基準がさらに厳しくなり、従来は対象外だった一部のガソリン車やディーゼル車も重課の対象となる可能性があります。中古車市場において、環境性能の低い車両の価値に影響が出ることが予想されます。
自動車検査(車検)における新たな検査項目の導入
安全性のさらなる向上を目的として、定期点検(車検)時の検査項目が拡充されます。具体的には、先進安全技術(ADAS)を搭載した車両について、カメラやセンサーなどの機能が正常に作動しているかどうかの確認が、視覚検査の一環として行われるようになります。また、バッテリー搭載車(EV、PHEV、HV)については、駆動用バッテリーの状態に関する簡易な確認が追加される予定です。これらは大規模な装置を必要としない検査ですが、適合しない場合は整備が求められます。
これらの一連の改正は、政府が掲げる2050年カーボンニュートラル実現に向けた交通分野の対策と、高齢化が進む車両ユーザーの安全確保を両立させるための施策です。自動車の購入を検討している方、現在所有している車両の長期使用を考えている方は、2026年を前に自身の車両がどのような影響を受けるかを確認することが推奨されます。