欧州で価格が下落するも、フランスでは据え置きの事情
ボルボの小型電気SUV「EX30」において、欧州域内で顕著な価格差が生じています。ドイツやベルギーなど複数の市場では、メーカーによる公式な価格引き下げが実施され、より手頃な価格で購入できるようになりました。しかし、フランス市場では同様の値下げが適用されておらず、結果として隣国との間に大きな価格格差が生まれています。この不均衡な価格戦略は、フランス国内の消費者や自動車業界関係者から疑問の声が上がる原因となっています。
市場ごとに異なる価格戦略の背景
このような価格差が生じた背景には、各国市場の競争環境や補助金制度の違いが影響していると考えられます。価格を引き下げた市場では、同クラスの競合車種との激しい価格競争が発生している可能性があります。また、政府による電気自動車(EV)購入補助金の額や条件が国によって異なるため、メーカー側が実質的な販売価格を調整する必要が生じるケースもあります。フランスでは比較的充実したEV補助金制度が存在するため、メーカーが公式価格を据え置いたとしても、消費者への最終的な負担額では差が縮まるという見方もあります。
フランス市場への影響と今後の展開
この価格差は、フランス国内の消費者にとって不公平感を生むだけでなく、市場の歪みを引き起こす可能性があります。隣国で安く購入した車両が、個人輸入などの形でフランス国内に流入する「並行輸入」が増加するリスクがあります。これは正規ディーラー網の販売を圧迫し、アフターサービスや保証に関する問題を複雑化させる要因となり得ます。ボルボは、欧州という単一市場内で、透明性が高く一貫性のある価格設定を目指すべきだとする指摘も出ています。今後の動向としては、フランス市場でも競争力を維持するため、何らかの形で価格見直しや特別仕様車の投入などの対応が行われる可能性が注目されます。