次世代EVの運転概念を体現したコンセプトカー
フランスの自動車メーカー、ペジェオが発表したコンセプトカー「ポリゴン」は、単なるデザインスタディを超え、将来の電気自動車における運転体験そのものの革新を提案しています。その核となるのが、従来の円形ステアリングを完全に覆す「ハイパースクエア」と呼ばれる正方形の操縦装置です。この試乗レポートでは、未来のクルマの可能性を垣間見た体験を詳しくお伝えします。
直感的操作を実現するハイパースクエアの仕組み
ハイパースクエアは、文字通り四角形のインターフェースです。その最大の特徴は、ステアリングホイール自体が回転しないことです。代わりに、ステアリング・バイ・ワイヤ技術を高度に発展させ、ハンドルを左右にスライドさせることで車輪の切れ角を制御します。これにより、従来のステアリングでは必要だったハンドル切り替えし動作が大幅に軽減され、特に市街地での運転負荷が軽くなる設計です。また、各面にはタッチセンサーや発光表示が組み込まれており、ワイパーやライト、メディア操作などを指先で直感的にコントロールできます。
ポリゴンが示す未来のキャビン空間
この革新的なステアリングは、キャビン全体のレイアウト刷新とセットになっています。運転席前面には広大な横長のディスプレイが配置され、重要な情報はドライバーの目の高さに自然に表示されます。ハイパースクエアによって物理的なスイッチ類が最小化されたため、室内はよりシンプルで開放的な空間となっており、自動運転モード時にはリラックスした時間を過ごせる環境を提供します。素材にも持続可能性が重視され、リサイクル素材がふんだんに採用されている点も、未来のモビリティを考える上で重要な示唆に富んでいます。
次世代モデルへの技術的布石
ポリゴンコンセプトとハイパースクエアは、近い将来発売が期待される新型208をはじめとするペジェオの次世代EVに、その技術やデザイン哲学が段階的に導入されるための布石と見られています。完全自動運転が普及するまでの過渡期において、ドライバーと車の関係を再定義し、運転をより安全で快適なものに昇華させる試みとして、業界全体から大きな注目を集めています。このコンセプトは、単なるハードウェアの変更ではなく、人間中心の新しいユーザー体験を創造する挑戦なのです。