物流大手の電動化戦略が加速
欧州における電動物流車両の導入で新たなマイルストーンが達成されようとしています。アマゾンがメルセデス・ベンツの大型電動トラック「eActros 600」を160台発注したことが明らかになりました。これは英国における電動トラックの単一発注としては過去最大規模となる画期的な取り組みです。
持続可能な物流への転換点
今回導入されるeActros 600は、メルセデス・ベンツが開発した最新の電動商用車です。航続距離は最大500キロメートルに達し、大型貨物の長距離輸送にも十分対応可能な性能を備えています。急速充電機能により、わずか30分でバッテリー容量の20%から80%まで充電できる点も、物流業務における実用性の高さを示しています。
環境目標の早期達成へ
アマゾンは2040年までにカーボンニュートラルを達成するという「The Climate Pledge」を掲げています。今回の電動トラック大量導入は、この目標を10年前倒しして2030年までに実現するための具体的な施策の一環です。欧州全域での配送ネットワークにおいて、二酸化炭素排出量の大幅削減が期待されています。
業界全体への波及効果
物流業界の大手企業による大規模な電動車両導入は、関連する充電インフラの整備促進や、他の企業の電動化への追随を促す効果が期待されます。特に英国では、2035年までに新車販売を全てゼロエミッション車とする政府目標を掲げており、今回のアマゾンの決断はその流れを後押しするものとなります。
今後の展開に注目
電動商用車の本格的な導入は、従来のディーゼル車に比べてランニングコストの削減やメンテナンスの簡素化など、経済的なメリットも大きいとされています。アマゾンの今回の投資が、業界全体の電動化推進の契機となるかどうか、今後の動向が注目されます。