米高級EVメーカーが人員削減に踏み切る背景
米国の高級電気自動車(EV)メーカー、ルーシッド・モーターズが、経営再建の一環として全世界の従業員の約12%を削減する大規模なリストラ計画を発表しました。同社はハイエンドEV「Lucid Air」を展開していますが、販売台数の伸び悩みと持続的な赤字に直面しており、コスト構造の抜本的な見直しを迫られています。この措置は、高級EV市場における競争の激化と、需要の減速懸念が背景にあります。
リストラが示すEV業界の現実
ルーシッドの人員削減は、先行投資が膨大なEV業界の厳しい現実を浮き彫りにしています。同社はサウジアラビアの公共投資基金(PIF)から多額の資金支援を受けていましたが、生産目標の未達や販売促進コストの増大が経営を圧迫。テスラを筆頭とする競合他社との価格競争も激化する中、収益化への道筋を早期に確立する必要に迫られています。今回のリストラは、事業効率化とキャッシュバーン率(資金消費率)改善を目的とした苦渋の決断と言えます。
高級EV市場の先行きと今後の課題
ルーシッドの経営再建策は、高級EVというニッチ市場の持続可能性に対する疑問も投げかけています。消費者にとってEVは依然として高額な買い物であり、経済情勢の不確実性が高価格帯の需要を抑制する可能性があります。同社は今後、より手頃な価格帯の新型車「Gravity」の投入を計画していますが、大規模なリストラが開発や顧客サービスに与える影響は未知数です。投資家と消費者は、経営効率化と製品競争力のバランスをどのように取っていくかに注目しています。