コレクターカーを襲った予期せぬ事故
アメリカ・カリフォルニア州の名門サーキット、ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで、とある走行イベント中に珍しい事故が発生しました。レッドフラッグ(全車走行停止)が示されている状況下で、サーキット内を走行していた公道工事車両が、メインストレートに停車していた2台の日産・スカイラインGT-Rに衝突。この衝撃的な事故により、いずれも貴重なコレクションカーであるGT-Rは大きな損傷を負いました。
サーキット側の管理責任が焦点に
事故を受けて、2台のGT-Rの所有者はサーキット運営会社を相手取り、法的措置を開始しました。彼らが主張する核心は、サーキット側の安全管理上の過失にあります。レッドフラッグ時には、通常、コース上に車両や関係者以外が立ち入ることは厳しく制御されるべきです。それにもかかわらず、公道工事車両がコース内を走行し、停止中の車両に衝突したことは、明らかな管理ミスであると指摘されています。
自動車愛好家コミュニティに広がる波紋
この事故のニュースは、特にJDM(日本製乗用車)やクラシックカーの愛好家の間で大きな関心と懸念を呼んでいます。スカイラインGT-Rはその歴史的価値と高騰する市場価値から、単なる「車」ではなく「動産」として扱われることも少なくありません。事故による損傷は、経済的損失だけでなく、文化的・歴史的価値の損失ともなり得ます。この事件は、サーキットがイベントを主催する際のリスク管理と、貴重な車両を預かる責任の重大さを浮き彫りにしました。
今後の展開と業界への影響
裁判の行方は、今後のトラックデーや走行イベントにおける安全管理の基準に影響を与える可能性があります。参加者が高額なコレクションカーを持ち込むことは珍しくなく、主催者側にはそれらを安全に保護する義務が求められます。この訴訟の結果次第では、他のサーキットやイベント主催者が安全プロトコルを見直すきっかけとなるかもしれません。自動車文化を支える場としての信頼をどう維持していくか、関係者全体にとって重要な課題が提示された事件です。