コードP246Eの意味
コードP246Eは、排気ガス温度センサー(EGTS)がバンク1、センサー4の位置で、メーカー仕様外の信号を送信していることを示します。このセンサーは、ディーゼル酸化触媒(DOC)またはディーゼル微粒子フィルター(DPF)の上流における排気ガスの温度を監視します。PCM(パワートレイン制御モジュール)はこのデータを以下の目的で使用します:
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🔥 DPFの再生を最適化する(微粒子の燃焼)。
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🌍 有害排出物を制御する(NOx、CO)。
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🚗 エンジンパラメータを調整する(噴射、EGR)。
一般的な症状
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🚨 エンジン警告灯の点灯(チェックエンジン)。
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📉 出力低下(DPF保護のためのリミテッドモード)。
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⛽ 燃料消費量の増加。
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💨 排気煙の増加(白煙または黒煙)。
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⚠️ DPF警告メッセージ(装備車の場合)。
考えられる原因
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EGTSセンサーの故障:
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温度ドリフト、内部抵抗の仕様外、応答遅延。
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配線の問題:
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センサー配線の短絡、断線、腐食。
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電気接続不良:
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端子の酸化、コネクターの嵌合不良。
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排気漏れ:
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排気マニホールドの亀裂、ガスケット不良。
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センサーの汚れ:
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煤や微粒子の堆積による測定誤差。
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段階的な診断手順
1. 外観検査
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EGTSセンサーの位置確認:通常はDOCまたはDPF近くに設置(サービスマニュアル参照)。
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配線とコネクターの確認:
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導線の損傷、絶縁被覆の焼け、腐食痕を点検。
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コンタクトスプレー(CRC 電気接点洗浄剤など)で端子を清掃。
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2. EGTSセンサーのテスト
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抵抗値の測定:
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センサーを外し、マルチメーターを抵抗測定モード(Ω)で使用。
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室温での抵抗値をメーカー仕様(例:20°Cで200–300 kΩ)と比較。
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仕様外の場合→センサー交換。
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電圧テスト:
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センサーを再接続し、イグニッションON。
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信号線とアース間の電圧を測定(予想値:0.1–4.8 V、温度により変動)。
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3. 排気漏れの調査
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外観点検で排気系統(マニホールド、パイプ、ガスケット)を確認。
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スモークマシンや石鹸水を使用し、センサー近傍の漏れを検出。
4. センサーの清掃
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センサーを分解し、耐高温デグリーススプレー(WD-40 スペシャリストなど)で清掃。
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感応素子を傷つけないよう、研磨工具は避ける。
5. PCMの確認
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高度な診断ツール(例:Autel MaxiCOM、Snap-On Verus)を使用し:
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ライブデータを読み取り(表示温度と実測値の比較)。
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関連コードを確認(例:P246A-P246D)。
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修理方法
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EGTSセンサーの交換:故障時は純正部品を推奨。
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配線の修復:
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損傷線を交換し、耐熱チューブで保護。
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排気漏れの解消:
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亀裂を溶接、または不良ガスケットを交換。
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PCMの更新:該当コード向けのTSB(テクニカルサービスブレティン)がある場合。
特定の場合
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DPF装備ディーゼル車:
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EGTSセンサーの長期不具合はDPF再生を阻害し、目詰まりを引き起こす可能性。
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修理後、診断ツールで強制再生を実行。
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高走行距離車両:
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DOC/DPFの状態を確認(触媒の損傷がセンサーに過負荷をかける場合あり)。
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重要なアドバイス
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🔧 必要な工具:
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デジタルマルチメーター。
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メーカー対応診断ツール。
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耐高温デグリーススプレー。
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⚠️ 安全対策:
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火傷防止のため、エンジン冷却後に作業。
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保護手袋とゴーグルを着用。
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修理後
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コードP246Eを消去し、実走行テストを実施。
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正常動作を確認するため、排気温度のライブデータを監視。
注:コードが再表示される場合、PCMの5V参照回路とセンサーアースを確認。不良センサーはDPF目詰まりの症状である可能性も。