コードP112E:吸気圧力センサー(MAP)または回路の不具合
考えられる原因:
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MAPセンサーの故障(内部不良または異常な応答)。
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電気的問題:センサーハーネスの損傷(断線、短絡)、コネクタの酸化またはピンの破損。
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接続不良:センサーの固定不良または端子の腐食。
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電子スロットルアクチュエーターの故障(MAPセンサーとの同期に関連)。
症状:
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エンジン警告灯の点灯(または「まもなく整備が必要です」のメッセージ)。
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アイドリングの不安定さやエンジンの失速。
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出力低下または加速時のヘジテーション。
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燃料消費量の増加。
コードP112Eの意味:
MAPセンサー(マニフォールド絶対圧センサー)は、エンジン負荷を判断するためにインテークマニフォールド内の圧力を測定します。このデータはECU(エンジン制御ユニット)によって以下を調整するために使用されます:
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燃料噴射量。
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点火タイミング。
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アイドリング制御。
コードP112Eは、ECUが以下との間の不一致を検出したときに発生します:
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アクセルペダルの位置(電子アクチュエーター経由)。
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MAPセンサーによって測定された圧力。
例えば、全開加速時(圧力がほぼゼロになるべき状況)にMAP信号が低すぎる場合は故障を示します。
診断手順:
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外観検査:
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MAPセンサー、そのコネクタ、電気配線を確認(断線、腐食、物理的損傷の有無をチェック)。
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インテークシステムの気密性を確認(真空漏れは測定値を歪ませます)。
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電気的テスト:
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マルチメーターでセンサーの電源電圧(通常5V)とアースを測定。
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MAPの出力信号を確認(圧力に応じて変化:全開時は約1V、アイドリング時は約4-5V)。
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データ分析:
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OBD-IIスキャナーを使用してMAPセンサーの値をリアルタイムで観察。期待値(例:アイドリング時30-50kPa、全開時約100kPa)と比較。
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スロットルアクチュエーターの確認:
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抵抗値とECU経由での動作をテスト(一部のスキャナーでは手動でアクチュエーターを作動可能)。
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修理手順:
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MAPセンサーの交換:
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作業前にバッテリーを外す。
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メーカー仕様に適合した新しいセンサーを取付(低品質部品は避ける)。
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電気配線の修理:
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損傷した配線を修理または交換。コネクタは接点復活剤で清掃。
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コードのリセット:
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修理後、OBD-IIスキャナーでコードP112Eを消去。問題解決を確認するため運転サイクルを実施。
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技術的なアドバイス:
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真空漏れの確認:インテークマニフォールドのひび割れやホースの外れはMAPの測定を妨げます。スモークマシンまたは漏れ検出スプレーを使用。
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ソフトウェア更新:一部の車両では、メーカーソフトウェアによるECUの再キャリブレーションが必要。
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総合診断の推奨:スロットルアクチュエーターの故障は二次症状の場合あり(例:EGRバルブやターボチャージャーの問題)。