意味
コードP0326は、パワートレインに関連するOBD-IIの汎用コードです。これは、エンジン内の異常な早期着火(「ノッキング」または「ピンピング」)を検出する役割を担うノックセンサー(KS)回路に問題があることを示します。修理手順はモデルによって異なる場合があります。
センサーの動作
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センサー(通常は2線式)は、PCM(パワートレイン制御モジュール)から5Vの基準電圧を受け取ります。
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検出された衝撃の強度と頻度を示す信号をPCMに返します。
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PCMはこのデータを使用して点火時期を遅らせ、ノッキングを防止します。
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PCMが異常に高いノイズレベル、または補正後も制御不能なノッキングを検出すると、コードP0326が作動します。
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注意:センサーは早期着火と異常な機械的ノイズ(例:ベアリングの不具合)を区別しません。
一般的な症状
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malfunction indicator lamp (MIL)の点灯。
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エンジンからの聞こえるノッキング音。
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加速時に感知できる「ピンピング」。
考えられる原因
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センサーコネクターの損傷または腐食(湿気)。
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センサー回路の断線またはアース短絡。
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センサー回路の電源短絡。
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ノックセンサーの内部故障。
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オクタン価が低すぎる燃料の使用。
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エンジンの内部機械的問題(ノッキングの原因)。
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PCMの故障(稀)。
診断手順
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予備確認:
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機械的ノッキング音が聞こえるか確認(該当する場合はまず原因を修理)。
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推奨オクタン価の燃料を使用していることを確認。
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センサーコネクターの点検:湿気や腐食を清掃。密封性を確認(冷却液の有無)。
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センサーと回路のテスト:
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KOEO(キーオン、エンジンオフ):
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センサーコネクターを外す。
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基準端子に5Vが存在するか確認。
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5Vがない場合:回路/電源の問題(ステップ3参照)。
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5Vがある場合:信号端子とエンジンアース間の抵抗を測定。メーカー仕様と比較。
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抵抗が仕様外 → センサー交換。
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抵抗OK → 再接続してエンジンテストへ。
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エンジンアイドリング時:
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診断ツールを使用し、データ内のセンサー信号を観察。
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ノッキング信号がアイドリング時に存在 → センサー交換。
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信号がない → センサー近くのエンジンブロックを軽く叩く。
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信号が反応しない → センサー交換。
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信号が反応する → 配線経路を確認(点火プラグコードを避ける)。
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5V電源の問題(ステップ2でない場合):
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キーをオフ。
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PCM側で5V基準線を絶縁(外すか修理可能な箇所で切断)。
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KOEO:絶縁した線のPCM側の電圧を確認。
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5Vがない → PCM不良(疑い)。
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5Vがある → 基準回路内の短絡。
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5V回路の短絡調査:
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この回路は複数のセンサーに電源を供給することが多い。
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この5V基準に接続されたセンサーを1つずつ外す。
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KSを再接続し、各切断後に5Vが戻るか確認。
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5Vが戻った場合、最後に外したセンサーが短絡している。
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センサーに問題がない場合、ハーネスのアース短絡を確認。
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覚えておくべき重要なポイント:
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まず明らかな機械的ノッキングや燃料の問題を修正。
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コネクターの目視点検が不可欠。
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5V基準回路は他のセンサーと共有されることが多い。
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PCMの交換は非常に稀で、他のすべての原因を排除した後にのみ検討。