レトロな3階建てキャンピングカー、シボレーC20が切り開く冒険の世界
1968年型シボレーC20ピックアップトラックに搭載された「3階建て」キャンパー。一見すると現代のSNS映えを狙った改造車のように思えるかもしれませんが、実はこうした遊び心あふれる設計は、数十年前からアメリカのアウトドア文化に存在していました。
圧巻の3層構造:住空間を垂直に拡張
この個体の最大の特徴は、キャンピングシェル部分が上下に3段に分かれている点です。最下層はトラックのベッド部分に当たる収納・調理スペース。中層はダイネット(食事・くつろぎスペース)に変形可能な座席エリア。そして最上層には、なんと専用の就寝用ロフトが設置されています。一般的なポップアップ式ルーフとは違い、この個体は階段ではなくはしごを使って各フロアを移動する、まさに「移動する小屋」のような構造です。
シボレーC20が選ばれた理由
なぜベース車両に1968年式シボレーC20が選ばれたのでしょうか。当時のC20は「3/4トントラック」に分類され、サスペンションやブレーキが強化されていました。高い積載量と頑丈なラダーフレームが、3階建て構造による重心の高さと重量増加に対応可能だったのです。オリジナルのV8エンジンは十分なトルクを持ち、この異形のキャンパーを安定して走らせることができました。
昨今のキャンピングカーは快適性や電装品の豪華さを競っていますが、この1968年式シボレーC20のような作品は、「手段を選ばない自由な発想」の面白さを私たちに思い出させてくれます。見た目のユニークさはもちろん、3層という垂直移動を伴う「小さな建築」としての体験そのものが、忘れられない旅の記憶になるでしょう。