フォード車に故障コードP1385が表示された場合、ノックセンサー4番回路に問題があることを示しています。OBD-II汎用コードと類似していますが、フォードのエンジン構造によって原因と解決策が異なる場合があります。エンジン損傷を防ぐため、この故障の特定と解決方法をご確認ください。
フォード車におけるノックセンサーの役割
ノックセンサーは、ノッキング(不規則燃焼)による異常振動を監視します。パワートレイン制御モジュール(PCM)に信号を送信し、点火時期を調整してエンジンを保護します。フォードの一部エンジン(EcoBoost、V6、V8)では複数のセンサーが使用され、各センサーは特定の気筒グループに対応しています。4番センサーはモデルによって特定の気筒を担当する場合があります。
フォードのP1385コード発生要因
この故障の主な原因:
- ノックセンサーの故障(摩耗・内部損傷)
- 電気回路の問題:
- 断線・摩擦損傷・短絡
- コネクターの酸化・緩み(湿気や熱による影響)
- 電磁妨害(他の部品近くの絶縁不良配線)
- PCMの故障(稀ですが他の原因を排除後に要確認)
主な症状
- チェックエンジン灯点灯と出力低下
- 加速時の失速や不安定なアイドリング(PCMが点火時期を制限)
- ノッキング発生時の金属音(カチカチ音)
- 燃費悪化(最適化されない点火時期調整)
診断手順
- 外観検査:
- 4番センサーの位置確認(サービスマニュアル参照)
- 配線・コネクターの損傷や腐食の有無を点検
- センサー試験:
- センサーを外して抵抗値を測定(基準値:20℃時50–100kΩ)。規定値外なら交換要
- 電源電圧を確認(モデルにより通常5Vまたは12V)
- 信号解析:
- オシロスコープ或いは専門診断機(Ford IDS等)でセンサー信号を確認。信号不在・不安定なら故障確定
推奨対策
- 4番ノックセンサー交換:
- 精度確保のため純正部品(Motorcraft等)を使用
- 接触不良防止のため指定トルク(通常10-25Nm)で取り付け
- 電気回路修復:
- 損傷電線を交換し耐熱カバーで保護
- 接点復活剤でコネクター清掃
- PCMリセット:
- OBD-IIスキャナーでP1385コード消去後、試運転で修復を確認
フォード車種別注意点
- フォードF-150(EcoBoost V6):ノックセンサーは振動・熱の影響を受け易い。配線の固定状態と絶縁を要確認
- フォードフォーカス(4気筒エンジン):エキゾーストマニホールド付近のコネクター緩みが多発要因
予防対策
- ターボエンジンでは特に低品質燃料を回避(ノッキングリスク増大)
- 定期点検時はエンジンルームの配線状態を確認
- カーボン堆積が疑われる場合はインジェクター洗浄剤を使用
専門業者への相談目安
センサー交換後も故障が解消しない場合:
- PCMの故障(再プログラミング必要)
- 根本的機械問題(例:点火時期不具合・不良燃料)
総括
フォードのP1385コードは軽視不可。未修正のノッキングはピストン・コンロッド・ターボチャージャー損傷の原因となります。DIY修理可能な場合もありますが、正確な診断には専用工具(Ford IDS等)が必須です。技術に不安がある場合は、将来の追加費用を防ぐためフォード認定整備工場への依頼をお勧めします。