コードP1390は、ダッジ車(ラム、チャージャー、チャレンジャー、デュランゴなど)において、クランクシャフト(CKP)とカムシャフト(CMP)の間の重大なずれを示し、点火と燃料噴射の制御を損なうものです。放置すると、この不具合はエンジンに修復不能な損傷を引き起こす可能性があります。
🚨 即時的な症状
- エンジンが始動しない、または突然エンジンが停止する。
- 負荷時に激しい失火や出力低下が起こる。
- 「Check Engine」警告灯が点滅し、関連コード(P0016、P0340)が表示される。
- タイミングチェーンカバー付近できしみ音やカチカチ音がする(チェーンの緩み)。
🔧 ダッジ特有の原因
- タイミングチェーンの伸び(ヘミ V8で10万km以上走行後に頻発)。
- 油圧テンショナーの故障(内部漏れや固着)。
- CKP/CMPマグネットの不良(マグネットの破損または減磁)。
- トリガーホイールの損傷(歯の欠けや腐食)。
- 油圧不足(オイルポンプの摩耗、詰まったフィルター、古いオイル)。
🔍 ステップバイステップ診断
- オイル圧の確認:
- 最低必要圧力:アイドリング時10 psi、2,000回転時35+ psi(マノメーターMopar 4902081AA推奨)。
- タイミングチェーンの点検:
- サイドカバーからアクセス(ラム1500 5.7Lヘミ、チャージャーR/Tモデル)。
- 伸び(マークのずれが6°以上)とガイドの状態を確認。
- センサーのテスト:
- CKP:抵抗値800–1300 Ω(ヘミ5.7Lの標準値)。
- CMP:オシロスコープでAC 0.5–5Vの信号を確認。
- Mopar高度スキャナー使用:
- WiTECHまたはDRB IIIを使用し、CKP/CMPのずれを分析(3°以上で不具合)。
🛠️ 推奨修理(Mopar参照番号付き)
| 不良部品 | 解決策 | 推奨ダッジ純正部品 |
|---|---|---|
| タイミングチェーン | フルキット交換(チェーン+テンショナー+ガイド) | Mopar 68164189AA(ヘミ5.7L用) |
| CKPマグネット | 交換(エアギャップ:0.5–1.5 mm) | Mopar 56027866AB(ラム1500用) |
| CMPマグネット | 清掃または交換 | Mopar 4894022AB(チャージャー3.6L用) |
| トリガーホイール | クランクシャフトローターを点検(傷や歯欠けがあれば交換) | Mopar 4668272AB |
⚠️ 重大な警告:
ヘミおよびペンタスターエンジンは干渉式です!同期がずれるとピストンとバルブの衝突を引き起こします。異常音がしたら直ちにエンジンを停止してください!
💡 修理後の重要な手順
- タイミング調整:
- Mopar専用工具:クランクシャフト固定工具10238+カムシャフト固定工具10243。
- ECUリセット:
- WiTECHでコードを消去し、センサーの再学習を実施。
- オイル管理:
- 5W-20/5W-40フル合成オイル(規格MS-6395)+Moparフィルター5281090ABを使用。
📊 技術仕様
| パラメーター | 値 |
|---|---|
| OBD2コード | P1390 |
| 定義 | 「クランクシャフト/カムシャフト相関エラー」 |
| 影響を受けやすいモデル | ラム1500、デュランゴ、チャージャー、チャレンジャー(2005–2020年式) |
| 緊急度 | 最高(エンジン破損のリスク) |
モデル別頻発問題の比較
| モデル | 頻発する故障 | 解決策 |
|---|---|---|
| ラム1500 5.7Lヘミ | 油圧テンショナーの漏れ | Moparチェーンキット68164189AA |
| チャージャー3.6L V6 | CMPマグネットのオイル浸漬 | Mopar4894022ABに交換 |
| デュランゴ4.7L V8 | トリガーホイールの錆(湿気) | Moparローター4668272ABを交換 |
結論
ダッジのコードP1390は、極めて重大な同期不良を示しています。優先すべき原因は:
- タイミングチェーンの摩耗(特にヘミV8)、
- CKP/CMPマグネットの故障(オイル漏れに敏感)、
- 十分でないオイル圧。
推奨アクション:
- 至急オイル圧とチェーンの遊びを確認。
- 互換性を確保するため、不良部品をMopar純正部品で交換。
- 専用工具で正確なタイミング調整を実施し、WiTECHでECUをリセット。
エンジンを再始動せず – 車両をMopar認定技術者のもとへレッカー移動。このコードを無視するとエンジン破損(費用5,000ドル以上)を招く可能性があります。