内部制御モジュールのメインCPU性能P060C

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コードP060C:定義と影響
コードP060Cは、OBD-IIの汎用コードであり、PCM(パワートレイン制御モジュール)のメインプロセッサ内部異常を示します。これは、PCMがプロセッサ性能の自己テスト中に不一致を検出した場合に発生し、多くの場合、計算エラーや内部通信エラーに関連しています。


コードの重大度

  • 重大と分類:このコードは、突然の不具合(例:エンスト、始動不能)やエンジン/トランスミッションシステムの完全な制御不能を引き起こす可能性があります。即時の対応が必要です。


一般的な症状

  • 複数の運転問題:エンジンやトランスミッションの不安定な動作。

  • 急激なシフトチェンジ(オートマチックトランスミッション)。

  • 不安定なアイドリングまたは繰り返しのエンスト。

  • 加速時の躊躇

  • エネルギー効率の低下


考えられる原因

  1. PCMのハードウェア障害

    • 内部プロセッサの損傷(過熱、短絡)。

    • PCM内の腐食または水の侵入。

  2. ソフトウェアの問題

    • PCMのプログラミングエラー(ファームウェアの破損または旧版)。

  3. 電気的問題

    • PCMに電力を供給するヒューズの焼損またはリレーの故障。

    • CAN回路の断線または短絡。

    • PCMの不良なアースまたは酸化したコネクタ。


診断手順

必要な工具

  • 高度なOBD-IIスキャナー(CANデータ読み取り機能付き)。

  • デジタルマルチメーター(DVOM)。

  • 技術文書(配線図、サービスブレティン)。


主要な手順

  1. 事前確認

    • PCMに関連するソフトウェア修正やリコールのため、サービスブレティン(SB)を確認してください。

  2. コードとデータの分析

    • スキャナーを使用して保存されたすべてのコードを取得し(電源またはCANネットワーク関連のコードを優先)。

    • リアルタイムデータ(例:PCMの供給電圧、温度)を確認してください。

  3. 電気的検査

    • PCMに電力を供給するヒューズとリレーをテストします(負荷下で)。

    • アースの完全性を確認します(PCMのアースとバッテリー間の抵抗が0.5Ω未満)。

    • PCMのコネクタを点検します(腐食、ピンの曲がり、防水性)。

  4. CANネットワークのテスト

    • DVOMを使用してCAN-HとCAN-Lの電圧を測定します(正常値:それぞれ約2.6Vと約2.4V)。

    • CANハーネス内の短絡や断線を探してください。

  5. PCMの診断

    • 電源回路とアース回路が正常な場合、PCMの故障を疑います。

    • PCMの再プログラミングが必要な場合があります(専用機器が必要で、ディーラーでよく利用可能)。


推奨される解決策

  • ソフトウェア更新:プログラミングエラーが特定された場合。

  • PCMの交換:ハードウェア障害の場合、必須の再プログラミングを行います。

  • 不良回路の修理:ヒューズの交換、CAN配線の修理、コネクタの清掃。


注意事項とアドバイス

  • 完全な診断なしにPCMを交換しないでください:コストが高く、再プログラミングが必須です。

  • 車両の履歴を確認してください:事故や水没によりPCMが損傷している可能性があります。

  • 専門家に依頼することをお勧めします:P060Cの診断には、多くの場合、専用機器(例:OEM再プログラミングツール)が必要です。


まとめ:コードP060Cは、多くの場合、内部プロセッサに関連するPCMの重大な故障を示します。PCMの交換を結論付ける前に、体系的なアプローチ(電源、アース、CAN)が不可欠です。このコードを無視すると、車両が完全に動かなくなる可能性があります。

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