電気自動車の加速性能に制限導入へ
中国政府が電気自動車の加速性能に対する新たな規制を検討している。自動運転支援技術やリトラクタブルドアハンドルに続き、EVの急速な加速能力が安全面から規制対象となる見込みだ。これは道路安全性向上を目的とした一連の規制強化の一環として位置づけられている。
背景にある安全上の懸念
近年、中国市場で販売される電気自動車の加速性能が著しく向上している。特に高性能モデルでは0-100km/h加速が3秒台を達成する車種も登場しており、一般ドライバーにとって過剰な性能となっているケースが指摘されていた。運転技量に応じた適切な性能設定が求められる状況となっている。
規制の具体的な内容
新規制では、電気自動車の加速性能に一定の制限を設ける方向で調整が進められている。具体的には、通常走行モードにおける加速性能の上限設定や、運転モードの初期設定をより穏やかなものに統一するなどの措置が検討されている。これにより、意図しない急加速による事故の防止が期待されている。
業界への影響と対応
自動車メーカー各社は既にこの動向を把握しており、設計段階から規制対応を進めている。一部メーカーでは、複数の駆動モードを用意し、スポーツモードなどの高性能設定には追加の安全確認を導入するなどの自主規制も始まっている。消費者への安全意識の啓発も併せて進められる予定だ。
今後の展開と展望
この規制は2024年中にも施行される見込みで、中国国内で販売される全ての新型電気自動車が対象となる。既存モデルについても、モデルチェンジ時に順次対応が求められる方針だ。国際的な安全基準の調和も視野に入れ、世界のEV安全規制の先駆けとなる可能性がある。