電気自動車の普及率が97%を突破 ノルウェーの自動車市場が新局面へ
ノルウェーにおいて、ガソリン車やディーゼル車などの内燃機関を搭載した新車の登録台数が、過去最低の水準を記録しました。最新の統計データによると、新規登録された乗用車の97%以上が純電気自動車(BEV)となっており、同国が世界の電動モビリティを牽引する先駆者である地位を確固たるものにしています。
政策とインフラ整備が後押しする急速な移行
この驚異的なシフトの背景には、ノルウェー政府による数十年にわたる一貫した政策支援があります。電気自動車の購入者に対しては、付加価値税の免除、道路通行料の無料化、フェリー料金の割引、そしてバスレーン走行の許可など、多岐にわたる優遇措置が講じられてきました。さらに、全国に張り巡らされた充電インフラ網の整備が、消費者の「航続不安」を解消する大きな役割を果たしています。
市場の変化と残る課題
現在、新車市場で内燃機関車や非充電式ハイブリッド車が占める割合はわずか数パーセントに過ぎません。この傾向は、主要自動車メーカーが相次いで新型電気自動車を投入し、消費者に幅広い選択肢を提供していることとも無関係ではありません。しかし、中古車市場における電動化や、寒冷地におけるバッテリー性能、電力供給網のキャパシティなど、解決すべき課題も残されています。
ノルウェーの事例は、強力な政策的インセンティブと社会全体での受容態勢が整えば、運輸部門の脱炭素化が急速に進みうることを世界に示す好例です。同国の歩みは、自動車産業の未来像を考える上で、多くの国々にとって重要な参考データを提供し続けています。