オーストラリアの大地を舞台に、伝説のジムカーナが新章へ
自動車エンターテインメントの金字塔「Gymkhana」シリーズが、待望のオーストラリア上陸を果たしました。ほぼ10年にわたる構想がついに実現し、伝説的ドライバー、トラビス・パストラーナが灼熱のアウトバックを舞台に、改造を施された「スバル・ブラタルー」、通称「ブラタルー」で狂気のパフォーマンスを繰り広げます。赤土が舞い上がる荒涼とした大地が、究極のプレイグラウンドとなるのです。
「フーン」文化の聖地で炸裂する、機械と人間の共鳴
オーストラリアは、過激なドライビング行為を指す自動車用語「フーン」が生まれた地。その聖地で行われる本作は、単なる自動車動画の域を超え、一種の文化的祭典と言えるでしょう。パストラーナは、強力なエンジンと徹底的なチューニングを施されたブラタルーを自在に操り、ドリフト、ジャンプ、スピンを駆使します。車体が砂塵に包まれ、タイヤが悲鳴を上げる様は、機械と人間が一体となって創り出すアートのようです。9分間に凝縮された編集は、各シーンの疾走感と迫力を最大限に引き出しています。
逆再生アイデアを凌駕する、圧倒的な正向きの疾走
制作陣は、全編を逆再生で編集するという斬新なアイデアも検討していたといいます。しかし、完成した映像を見れば、その必要が全くなかったことがわかります。ブラタルーが猛スピードで土手を駆け上がり、空中で車体を捻る様子、そして正確無比な着地。これら正向きの連続こそが、パストラーナの超絶的な技術と車両のポテンシャルを最もダイレクトに伝えるからです。オーストラリアの広大で荒々しい風景が、この暴力的なまでのドライビングの美しさを一層引き立てています。
本作は、自動車愛好家への贈り物であると同時に、ジムカーナシリーズが常に進化し、新たな挑戦を続けていることを強く印象付ける内容となっています。限界を追求するドライバーとマシンが、新天地で放つ火花は、観る者すべてを熱狂の渦に巻き込みます。