電動オフローダーの新基準となるか
ジープが発表した新型電動SUV「リコン」は、伝統的なオフロード性能と電動化技術の融合を目指した意欲作だ。650馬力の強力なモーター、3.6秒での0-100km/h加速、約400kmの航続距離など、スペック表の数字だけを見れば申し分ない。しかし、真のジープ愛好家が最も気にするのは、やはりオフロード性能における実力だろう。
35インチタイヤ装着の可能性
従来のジープ車では、35インチタイヤへの換装はオフロード性能向上の定番改造だった。しかし電動車両では、バッテリー配置やモーターの出力特性、さらにはエネルギー消費率への影響など、考慮すべき要素が増える。リコンEVの場合、車体構造が従来モデルと異なるため、単純な互換性は期待できない。
メーカー公称値と現実のギャップ
公式発表ではオフロード性能を強調しているものの、35インチタイヤに関する具体的な言及はない。これは、航続距離保証や安全基準との兼ね合いによるものと考えられる。大型タイヤは転がり抵抗を増加させ、EVにとって命とも言える航続距離を大きく減少させる要因となる。
将来のカスタマイズ文化
ジープコミュニティでは、車両の個人仕様化が文化として根付いている。リコンEVにおいても、メーカー公認のアクセサリーや、サードパーティーによる正式な改造キットの登場が待たれる。電動化時代における新たなカスタマイズの形が、ここから生まれるかもしれない。
最終的にリコンEVが真の「ジープ」たり得るかは、このような伝統的なカスタマイズ文化をどの程度受け継げるかにもかかっている。今後の詳細発表に注目が集まる。