米国市場から消えるボルボのステーションワゴン、V60クロスカントリーの最終受注が開始

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米国におけるボルボステーションワゴンの生産終了

ボルボは、北米市場で大衆的な自動車メーカーとしての地位を確立すると同時に、「ステーションワゴン」の代名詞としても深く根付いてきました。特に1980年代から2000年代にかけて郊外で育った世代にとって、ボルボのワゴンは一時代を象徴する風景の一部でした。しかし、その長い歴史に一つの区切りが訪れようとしています。米国で新たなボルボのステーションワゴンを購入したいのであれば、V60クロスカントリーの最終受注が事実上、最後のチャンスとなります。

クロスオーバーへの移行と市場の変化

この決定の背景には、米国市場における自動車トレンドの大きな変化があります。ここ十数年の間、SUVやクロスオーバー車の人気が急激に高まり、従来型のステーションワゴンの需要は着実に減少してきました。消費者の嗜好が、より高い乗車姿勢、広々とした室内空間、そして荒れた路面への対応能力を求める方向へとシフトした結果です。ボルボ自身も、XC40、XC60、XC90といったSUVラインナップの成功により、事業の中心を完全に移行させています。

V60クロスカントリーの最後の輝き

最終生産の対象となるV60クロスカントリーは、通常のステーションワゴンの実用性に、SUVを思わせる軽度のオフロード性能と防護性を加えたモデルです。高い地上高と四輪駆動システムを備え、悪天候や軽いアウトドア用途にも対応できる点が特徴でした。このモデルの生産終了は、ボルボが米国市場において、純粋な「ワゴン」の販売から完全に撤退することを意味します。

ボルボのステーションワゴンは、安全性、実用性、そして独特のスタイルで多くの支持を集めてきました。その生産終了は、単なる一車種の消滅ではなく、自動車文化の一つの章が閉じられることを象徴しています。今後、同社は電動化とSUVラインナップの拡充に注力していく方針です。愛好家にとっては、時代の変化を感じさせるニュースと言えるでしょう。

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