電動ピックアップ市場に新たな風、Slate Truckの快進撃
電気自動車市場において、新興メーカーSlateが発表した電動ピックアップ「Slate Truck」が、発表から短期間で15万台を超える予約を受注した。この驚異的な数字は、商用車市場における電動化への強い期待を反映するとともに、同社のビジネスモデルを後押しするアマゾンの存在感を浮き彫りにしている。
実用性と持続可能性を両立した設計
Slate Truckは、従来の電動ピックアップが抱えがちな「実用性」と「航続距離」の課題に正面から取り組んでいる。積載能力と牽引性能は従来の内燃機関モデルに引けを取らない水準を確保しつつ、商用車としての日常的な使用に最適化されたバッテリーシステムを採用。物流業者や建設現場など、業務用途における「使える電動車」としての地位を確立しつつある。
アマゾンの物流網とのシナジー効果
この成功の背景には、投資パートナーであるアマゾンの存在が大きい。同社は自社の巨大な物流ネットワークにおける脱炭素化を推進しており、Slate Truckはその重要なピースとして位置づけられている。アマゾンによる大量導入の可能性が示唆されるなか、他の物流企業の関心も集め、予約数の押し上げに貢献している。
業界に与える波及効果と今後の展望
15万台という予約数は、電動商用車市場が想像以上に成熟しつつあることを示す指標となった。従来、乗用車中心だったEV戦略に、商用・業務用途の重要性を改めて認識させる結果となっている。Slateは2025年春の詳細な仕様公開と生産開始を予定しており、実際の納入が始まれば、都市部を中心とした物流やサービス業界の車両構成に、本格的な変化をもたらす可能性が高い。