症状
コードの重大度
トランスミッションレンジセンサー内蔵のパーキング/ニュートラルスイッチ不良によりエンジンが始動しない可能性があります。変速ショックが発生したり、時にはギアがかかった状態で始動することもあります。また、トランスミッションが「リンプホームモード」になることで出力低下も生じ得ます。
このコードに関連する安全上の重要な要素があり、可能な限り早期の修理が必要です。
原因
このコードが設定される主な原因は以下の通りです:
- トランスミッションレンジセンサー「B」の故障
- 配線の断線または短絡
- トランスミッションレンジセンサー「B」の調整不良
- PCM(パワートレインコントロールモジュール)の故障
診断と修理手順
このコードを診断するには、まず以下の2点を基本的な知識として理解する必要があります:
1. 開放回路とは?
開放回路とは、バッテリーの負極から正極への完全な回路が形成されていない状態を指します。例えば、電球のフィラメントが切断されて点灯しなくなる場合、切断されたフィラメント部分で回路が開放された状態となります。
2. 短絡とは?
短絡は、負極と正極の間に何らの負荷も存在せず直接接触した状態で発生します。つまり、回路には(照明、モーター、センサーなどの)部品が必ず存在しなければなりません。短絡は、自動車のバッテリー上に工具を落として両端子に同時接触させ、火花が散る状態に例えられます。これは直接短絡と呼ばれます。
基礎的な回路理論を理解した上で、下記の回路図を参照してください。点A、B、またはCでの開放回路はPCMでの低電圧を引き起こします。同じ箇所での短絡はヒューズの焼損とPCMでの低電圧を生じます。これらの状態はいずれもDTC P2802を設定します。
DTCの正確な原因を特定するには、点A、B、Cでの電圧を確認してください。AとBで電圧が確認できるがCで確認できない場合は、レンジセンサーの故障が疑われます。Cで電圧が確認できる場合は、配線の短絡または稀なケースとしてPCMの故障が考えられます。Aでのみ電圧が確認できる場合は、ヒューズの確認を行ってください。
関連するトランスミッションレンジセンサーコード:P2800、P2801、P2803、P2804