コードP204Eの重大度
レベル:重大 🔴
- 即時影響:SCRシステム(選択的触媒還元)が作動停止し、汚染物質(NOx)の排出増加や触媒の故障リスクが生じる。
- 長期的リスク:
- SCR触媒の損傷(交換費用は高額:1,000ユーロ~3,000ユーロ)。
- 空燃比の不均衡によるDPF(ディーゼル微粒子フィルター)の過負荷。
- 車両がリミテッドモード(性能低下、速度制限)に入る可能性。
P204Eの一般的な症状
- 🚨 エンジン警告灯(MIL)またはSCR警告灯点灯。
- 🔥 排気ガスに黒煙または青煙(不完全燃焼)。
- 📉 エンジンパフォーマンスの低下(加速不良、出力低下)。
- ⛽ 燃料消費量の増加(最大20%)。
- ⚠️ 関連コード:P20EE、P204F、P2201(SCR/AdBlue®関連の問題)。
P204Eの主な原因
- レデューサー圧力センサーの故障:
- 内部故障や尿素(DEF)による汚染による誤信号。
- 電気系の問題:
- センサー配線の短絡または断線。
- 湿気によるコネクターの酸化または接触不良。
- PCM/SCRコントローラーの故障:
- ソフトウェアの旧式化またはキャリブレーションエラー。
- レデューサーポンプの故障:
- 内部漏れまたは圧力不足(AdBlue®関連)。
- その他の原因:
- AdBlue®の液量不足または品質不良。
- SCRインジェクターの詰まりまたは損傷。
詳細な診断手順
必要な工具
- 高度なOBD2スキャナー(例:Delphi、Autel)。
- デジタルマルチメーター(DVOM)。
- 車種専用の技術文書(配線図、テスト手順)。
主要ステップ
- TSB(テクニカルサービスブレティン)の確認:
- 該当モデルのSCRシステムに関連するソフトウェア更新やリコールを確認。
- コードとライブデータの分析:
- スキャナーを使用して:
- メモリ内の全コード(P204Eおよび関連コード)を読み取る。
- レデューサー圧力を監視(メーカー仕様と比較)。
- SCR温度とAdBlue®流量を確認。
- 圧力センサーのテスト:
- センサーの抵抗値と電圧を測定(基準:圧力に応じて0.5~4.5V)。
- メーカー値と比較。仕様外の場合➔交換が必要。
- 電気回路の点検:
- センサーとPCM間の導通と短絡の有無をテスト。
- センサーの電源(+5V)とアースを確認。
- SCRポンプとインジェクターの確認:
- 該当する場合はマノメーターでポンプ圧力をテスト。
- インジェクターの結晶化堆積物を点検(専用キットで清掃)。
- 修理の検証:
- コードを消去し、走行サイクルを実施してP204Eの再発生を確認。
推奨される解決策
- 圧力センサーの交換:150~400ユーロ(部品+工賃)。
- AdBlue®回路の清掃:認定清掃キットを使用。
- PCMの更新:ディーラーに連絡し再プログラミングを依頼。
- SCRポンプの交換:高額(800~2,000ユーロ)。
見落としがちなポイント
- ISO 22241認定のAdBlue®のみを使用(非適合品はシステムを損傷)。
- コードP204E発生時の運転は避ける:高額な追加費用(例:SCR触媒交換)のリスクあり。
このアプローチで正確な診断が可能になり、不要な修理を防げます。正確な仕様については常にメーカーの技術ガイドを参照してください。