P1292 フォードコード – バンク2の高圧側インジェクターがグランドまたはバッテリーに短絡

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意味

エンジンコンピューター(PCM)がバンク2(V8エンジンの場合、シリンダー2、3、5、8)の燃料噴射回路で電気的故障を検出しました。PCMはインジェクターの抵抗と信号を常時監視しており、値が予想範囲を超えるとこのコードが記録されます。


考えられる原因

優先度 原因 技術的詳細
1 配線の問題 断線・擦れ、アースまたは+12Vへの短絡、コネクターの腐食
2 インジェクター不良 内部コイルの短絡(≈ 0Ω)または開放(抵抗∞)
3 コネクターの損傷 ピンの錆・曲がり・嵌合不良(特にバンク2側)
4 PCMの故障(稀) コンピューター内部の問題(インジェクタードライバーモジュール故障)

観察される症状

  • ⚠️ エンジン警告灯の点灯(MIL)
  • アイドリング不安定または振動
  • 明らかなパワー不足
  • 燃料消費量の増加
  • 始動不良(複数インジェクターに不具合がある場合)
  • 失火コード(P0302、P0303、P0305、P0308)を併発することが多い

診断手順(ステップバイステップ)

  1. 外観検査(バンク2)
    • インジェクター配線(シリンダー2、3、5、8)の確認:焼け跡、高温部品との接触痕。
    • コネクターを外し、腐食/錆(緑/白い斑点)を確認。
  2. 基本電気テスト
    • インジェクター抵抗値の測定(エンジン冷間時):
      • 正常値:10-20 Ω(一般的なフォード車)。
      • 異常値:< 5Ω(短絡)または > 30Ω(開放)。
  3. 回路の確認
    • マルチメーターを使用して以下を確認:
      • PCMとインジェクター間の導通
      • アースへの短絡の有無(ダイオードテスト)。
  4. 通電テスト
    • ノイドライト(インジェクターテストLED)を接続:点滅が不規則 = PCM信号の問題。
    • オシロスコープで波形を分析(期待されるピーク電圧:40-80V)。

修理方法

確定した原因 対策
インジェクター故障 不良インジェクターの交換(必ず抵抗値を比較すること)
配線の損傷 防水溶接+耐熱カバーでの配線修復
コネクターの腐食 接点復活剤での清掃またはコネクター交換
PCMの故障 PCM交換前にドライバーモジュールの12V電源を確認

主要技術データ

  • バンク2の位置
    • V6/V8エンジン:エキゾースト側の反対(米国仕様では運転席側が多い)。
  • 抵抗値許容差:指定値の±15%。
  • 頻発する誤診断:P1292の80%はコネクターの問題(湿気、振動)が原因。

プロのアドバイス:修理後は診断ツール(例:Forscan)で燃料適応値をリセットし、走行サイクルを実施してコードが消えることを確認してください。

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