コードP1112 マツダ:原因、症状、解決策
コードP1112の意味
マツダのコードP1112は、吸入空気温度(IAT)センサーまたはその回路の問題を示しています。このセンサーはエンジンに流入する空気の温度を測定し、エンジン制御モジュール(ECM)に信号を送信します。
- 動作原理:IATセンサーはサーミスタを使用しており、温度が上昇すると電気抵抗が減少します。
- 設置場所:エアフローメーター(MAF)センサー内に組み込まれているか、エアフィルターボックスに取り付けられています。
- 影響:ECMはこのデータを使用して空燃比、点火時期、その他の重要なパラメータを調整します。
一般的な症状
- エンジン警告灯の点灯(または警告メッセージ)。
- 不安定なアイドリングや振動。
- 燃費の悪化。
- 性能低下(加速不良)。
- 寒冷時の始動困難。
考えられる原因
- IATセンサーの故障:
- サーミスタの損傷または劣化。
- 内部配線の断線または酸化。
- 電気的問題:
- センサー配線の短絡または断線。
- コネクターの腐食、緩み、または接触不良。
- ECMの故障:
- プログラミングエラーまたはハードウェア障害(稀)。
診断手順
- 外観検査:
- IATセンサーの位置を確認(エアフィルター近くまたはMAF内)。
- 配線とコネクターを検査し、被覆剥き出し、絶縁体の損傷、腐食がないか確認。
- IATセンサーのテスト:
- コネクターを外し、マルチメーターで抵抗を測定。
- 予想値:
- 20°Cで約2,000〜3,000Ω。
- 80°Cで約200〜400Ω。
- マツダの仕様と比較。
- 電気回路の確認:
- 電源電圧をテスト(キーONで5V)。
- センサーとECM間の導通を確認。
推奨される解決策
- 故障したIATセンサーの交換:
- 互換性のあるセンサーまたは純正品(例:デンソー、日立)を選択。
- 取り付け部を清掃し、エア漏れを防止。
- 電気配線の修理:
- 損傷した電線を防水はんだで修理。
- 酸化または破損したコネクターを交換。
- ECMのリセット:
- 修理後、OBD-IIスキャナーでコードP1112を消去。
- コードが残る場合は、ECMの再プログラミングを検討。
重要な注意点
- 電気作業の前にはバッテリーを外す。
- 汚染物質を避ける:誤った読み取りを防ぐため、エアフィルターボックスを清掃。
- MAFセンサーのテスト:IATセンサーがMAF内蔵の場合は、MAFの状態も確認。
推定費用
- IATセンサー:3,000〜10,000円。
- 作業時間:0.5〜1時間(4,000〜10,000円)。
- MAF交換(内蔵の場合):10,000〜30,000円。
結論
マツダのコードP1112は、IATセンサーの汚れやコネクターの不良などの単純な問題であることが多いです。このコードを無視すると、空燃比が不均衡になり、最終的には触媒の損傷やエンジンの摩耗を引き起こす可能性があります。基本的な確認で問題が解決しない場合、特に燃費悪化などの症状が続く場合は、認定マツダ整備士に詳細な診断を依頼してください。